「縮小社会における議会・議員の役割」〜鳥取県4市議会議員研修レポート〜

「縮小社会における議会・議員の役割 ― 住民自治の根幹としての議会を作動させる」**

人口減少が進む「縮小社会」で、議会は何を担い、どう作動すべきか。

江藤俊昭教授(大正大学)は、議会を“フォーラム”として再構築し、非常時にも平時にも機能する議会運営の要点を、全国の事例とともに示しました。研修のメモを自分の備忘録も兼ねてブログに記しておきます。

🔶 1. フォーラムとしての議会 ― 住民・議員・執行が対等に議論する場へ

  • 地域のことを決めているのは議会。住民にその事実をしっかり伝える必要がある。
  • 議案審査後に議員間討議を行い、メリット・デメリットを議論する。
  • 参考人制度は複数名を呼ぶことで議論の質が上がる。
  • 地方自治法121条:議会は議員だけで行う。議案審査は最重要プロセス。
  • 境港市は「議案審査→一般質問」の順に変更し、議案に関する質問をしない運用へ。

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🔶 2. 非常事態における議会 ― “必要緊急”としての議会BCP

災害時、議会は不要不急ではなく 必要緊急。

● 情報の扱い

  • 議員が個々に行政へ情報を上げるのは混乱のもと。

→ 議会で集約し、まとめて提言する。

● 議会版BCPの整備

  • 境港市議会は災害要項まで整備。
  • 豊島区のBCPは参考になる:

https://www.city.toshima.lg.jp/368/kuse/gikai/2110071209.html

  • オンライン委員会は条例改正で出席扱いに。
  • 本会議は「議案審査以外ならオンライン可」(総務省技術的助言)。

● BCPは作るだけでは不十分

→ 訓練 → 運用 → 修正 の継続サイクルが重要。

● 組織体制のポイント

  1. 議会基本条例にBCPを規定
  2. タイムラインの明確化
  3. 議会災害対策会議の設置(家族・地域・議会の調整)
  4. 事務局は「議会側」につける

芦屋市議会では、議長と市長が災害対策本部で情報共有し、住民へ伝える体制を構築。

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🔶 3. ガバナンス改革 ― 倫理・透明性・自浄作用の強化

● 福岡県議会の課題

  • ムラ社会が強固で取材拒否も。
  • 西日本新聞が調査報道でチェック。
  • 議会側に第三者委員会(百条の2)を設置し、専門家の知見を活用。
  • ただし第三者委員会は権限が弱い。

→ 百条委員会(議員のみ)+専門家招致で実効性を高める。

● 倫理・ハラスメント対策

  • 倉吉市議会:ハラスメント防止条例

https://www.city.kurayoshi.lg.jp/d1w_reiki/H506901010026/H506901010026_j.html

  • 東京都:常設型政治倫理審査会
  • 議会基本条例は「検証して改正する」ことで進化する。

● 議長選挙の不透明さ

  • 意見表明していないのに当選者が決まる。

→ 裏取引の温床。

→ 議会だよりで透明性をアピールすることが有効。

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🔶 4. 縮小社会とスマートシュリンク

● 地方創生2.0

外部依存型になりがち。自分たちの頭で考える自治が必要。

資料:

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_chihousousei/pdf/20250613_gaiyou.pdf

● 江藤教授の記事

https://www.jiji.com/jc/v8?id=202405disappeareto

● 美咲町議会の取り組み

  • 総合計画を議会自ら作成
  • 学校と意見交換
  • 投票率低下を中高生と議論
  • マニフェスト大賞受賞
  • 江藤教授は議会サポーター

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🔶 5. 財政非常事態と監査連携

市川三郷町は財政非常事態宣言。

議選監査と連携し、決算時に勉強会を実施。

監査報告書・勧告を政策改善に活かす。

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🔶 6. 議会の権限を住民に知らせる ― 説明責任の強化

  • 地方自治法96条:地域経営の重要権限は議会
  • 首長の権限(149条・154条)との役割分担
  • 合議体としての議会が代表制民主主義を支える
  • 倉吉市議会基本条例:

https://www.city.kurayoshi.lg.jp/d1w_reiki/H505901010026/H505901010026.html

  • 懲罰の濫用禁止(少数派いじめ防止)
  • 議決後の説明責任が重要

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🔶 7. 委員会中心の政策サイクル

  • 所管事務調査 → 提言 → 決議 → 報告書化
  • 岐阜県可児市:委員会代表質問
  • 住民福祉向上につながる政策サイクルを議会から回す

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🔶 8. 通年議会と決算重視

  • 会津若松市:6月議会後すぐ決算審査、事前に論点整理
  • いなべ市:執行部を呼ばず委員会で勉強会
  • 会津若松市議会白書(参加ガイド):

https://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/docs/2025032800013

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🔶 9. 政策立案の高度化

奥州市の政策提言ガイドライン:

https://www.city.oshu.iwate.jp/gikai/seisakuteigen/1812.html

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🔶 10. 総合計画と財政の連動 ― 地域経営の軸に

  • 多治見市市政基本条例:総合計画と予算の連動、三層構造、市民参加、議会議決
  • 計画期間は4年(首長のマニフェストではない)
  • 一般質問で総合計画を豊かにする
  • 進捗報告を受け、全体を常にチェック

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🔶 11. 住民参加の拡充

  • 犬山市:市民フリースピーチ(小5が制服選択制を提案)
  • 栗山町:議会報告会で議員が鍛えられる

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🔶 12. 議員活動の条件整備

  • 定数は「選挙のため」ではなく「議会力アップのため」
  • 原価方式(活動量に応じた報酬):

https://www.nactva.gr.jp/html/research/utilization.html

  • 議会事務局改革・図書室の強化
  • 事務局を味方につけることが議会力向上の鍵

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✨ まとめ:議会基本条例の“魂”を作動させる

江藤教授のメッセージは一貫していました。

議会は住民自治の根幹であり、縮小社会だからこそフォーラムとして機能しなければならない。

非常時には議会は必要緊急であり、BCPは訓練・運用・修正のサイクルが命。

議会基本条例は改正して進化させる“魂”が大事。